特集 ニューフェイス1年の記録
保健所保健婦1年生
尾崎 茂子
1
1岡山県津山保健所
pp.10-13
発行日 1970年4月10日
Published Date 1970/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204643
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1.富村の概況
私が担当した富村は次図のように岡山市より約90km北に位置している村で,津山保健所へ勤務するまでは聞いたこともないところであった。
津山保健所管内は人口13万7千人。面積1,034km2で1市6町村を担当している。保健所保健婦は婦長以下11人で,市町村保健婦15人を含めて1人平均受持人口5300人であるが,いずれも交通事情の悪い僻地のため保健婦数は足りていない。そこで私も津山市にある一地区も担当した。交通の便が悪いということは保健婦活動にとって致命的な条件である。管内では上斉原村と阿波村が滞在制度といって2週間に1度,3泊4日宿泊して保健婦活動を行なっている。滞在制度は,岡山県の駐在制度が駐在する人の犠牲に支えられている町村へ,保健婦を設置してもらうような働きを行ない,町村がその気になっても,県北の僻地へは行く人がないという理由で廃止されたあと,昭和42年から滞在制となり,全県では10の町村で行なわれている。
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