声
2年生保健婦のひとりごと
国分 恵子
1
1石川県七尾市役所
pp.161
発行日 1973年3月10日
Published Date 1973/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205240
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保健婦の仕事を始めてからもう2年たとうとしている。そろそろ新米づらもできなくなりそうだが,やはり"これでいいのだろうか"という不安が心に残る。保健婦としての仕事,住民のための仕事等々,日常よく使われていることばだが,業務を遂行していく過程で,ときとしてそれが見失なわれていることがある。迅速に処理することが住民のためであるとき,その迅速さに精力を傾けるためにち密さに欠ける場合,また本人に直接会って話しがしたいのに,機動力不足のために手紙で済ませる場合など,少々困難な仕事に出会うと自分自身にとって一番やりやすい方法をとり,それで満足するという,非常に安易な状態のなかにいる2年生保健婦を自分自身のなかにみつける。
人口48,000人,面積144.01km2,保健婦数3名,身分は国保だが,業務は衛生と国保の兼務という形をとり,仕事をしている。交通機関はバスで,多いところで15分に1本,また少ないところは1日2本,その他全然通ってないところもある。そのため保健婦にとって必要な機動力がややもすると不足しがちになり,活動範囲がせばめられる。また衛生教育,各種健診の事後処理などは,ところによって迅速さとち密さのいずれかが欠ける活動しかできないときもある。おまけにたくさんの事務量をかかえて身動きができないくらいになっているのが現状である。
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