特集 身分の一本化
保健婦身分の一本化に思う—松江市の実状より
池田 孝子
1
1島根県松江市役所保険年金課
pp.35-37
発行日 1969年5月10日
Published Date 1969/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204426
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.松江市の概況
島根県の県都である松江市は,国際観光都市として内外に名の知られた美しい街です。人口11万余りを包含し,教育文化を中心として栄えた城下町です。この松江市の保健衛生行政の一端を受持っている私たち保健婦は,昭和42年度までは,11人でその任務に当っていました。過去,昭和37年度〜39年度の3か年間は,13人の保健婦数であったのが,赤字再建整備団体の指定をうけてより,減員の傾向にあります。ちょうどその頃,自治省より監査をうけた際,係官から保健婦の設置数は,全国一であるということが市当局へ伝えられたのです。
昭和42年度までは,保健婦1人当り平均1万人余りの受持人口で,市内20地区を地区分担し,地区住民に対する働きかけとして,家族保健活動と地域保健管理の二つの方法をとってきました。家族保健活動は,家庭訪問活動として実践され,地域保健管理は,集団健診又は集団指導の形をとって実践してきています。国保医療統計,衛生統計をもとにしながら,その地区に潜在している健康を害する要素は何かを調査し,また保健婦が最も地区に入っていきやすいことを取り上げて,各地区の公民館,農協婦人部,婦人会などの組織を活用する中で活動をすすめてきました。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.