特集 身分の一本化
Z県国保保健婦の意見
pp.31-34
発行日 1969年5月10日
Published Date 1969/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204425
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時代に逆行?
――アンケートの用紙を見た瞬間に思ったことは,身分の一本化ということで問うていたわけですね。だけどその裏にはやっぱり公衆衛生行政のあり方とか,そのほかの業務のあり方とか,そういう基本的なものというか,そういうものと離して保健婦の身分の一本化というものは考えられないと思ったんです,あれを見た瞬間に。それはどういうことかというと,私なんか卒業生,卒業生といって,いちばん新しいつもりでいたんだけれども,なんだかいつの間にか古くなっちゃって,そんな気持ちはないんだけれども,わずか10年の流れで感じることは,いろんな公衆衛生行政というのは,住民に近い位置にある市町村におろそう,おろそうという気運がありますよね。母子保健法のときにだって,なかばおろしたようなつもりで,厚生省でもあちこちで講習会やったり,県でも予算をとらなかったりして失敗したことがあったわけですね。あのときには,最終的に格差が今以上に激しくなるということが懸念されるから,それだったら県段階においてた方がまだ無難だろうということで,最終的には市町村におろされなかったけれども,あの過程では少なくともおろすつもりで,公衆衛生の従事者はいたわけですよね。
そういうようなことから今後時代が進んで,今以上に公衆衛生に働く保健所の医者が充足されて,保健所が発展して,市町村から保健行政が薄れるということは,なんか私には考えられないような気がするんです。
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