特集 保健婦の身分問題
保健婦業務の核心 身分統一の問題
聖成 稔
1
1厚生省保健所課
pp.11-14
発行日 1957年8月10日
Published Date 1957/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201462
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.保健婦の身分統一は何故必要か
昭和13年にスタートした我国の保健所網整備計画は戦後大いに進捗して現在全国に783の保健所が設けられて公衆衛生の第一線機関として活躍しているが,保健所が公衆衛生の仕事をその管轄区域の隅々まで滲透させてゆくには決して未だ十分とは言えない.保健所の増設が未だ未だ必要なのであるが,最近における地方の財政事情は増設はおろか,既存の保健所の人的・物的の整備も十分に出来ないのみならず,地方によっては逆に人員整理,その他により弱体化の傾向すらある現状である.
一方において公衆衛生の業務はずい分拡大強化されて来てはいるが,もつともつとやらねばならぬことが山積みの様な状態である.従って,今や保健所はその力の限界以上の仕事をかかえ日夜苦斗している状況にあると言わなければならない.その保健所が,広い範囲の仕事をやつてゆく為に色々の職種の職員がおかれているが.結核を始めとする各種の疾病予防の仕事,或は妊産婦,乳幼児の保健指導の仕事を担当する保健婦は,その保健所の活動の生命線とも称すべき重要な任務を帯びているといつても過言でない.
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.