主張
身分の一元化
pp.9
発行日 1953年4月10日
Published Date 1953/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200484
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戦後公衆衞生が目覚しく発達し者ことは誰もが身近に感じとつたところであろう.これは率直にいつて占領軍の強力な指導が当局に働いて,行政となつて国民の上にのびて来たゆえんであつて,全国に手をひろげた保健所活動の結果である.この保健所事業の中で,その成績のかげに目だたない努力の力がひそんでいることは知れているだろうか,それは保健婦の活動である.併しこれはその業態に於て決して満足な動きをしていない.又充分な成績もあげていない.
結核死亡率は成程へつた,併し病人は一向にへつていない,療養所のベットが空かないので入れない家庭療養者は殖える一方の現在,それを誰が指導し管理するのだろう,保健婦はその業務中の最大使命である家庭訪問活動が殆ど出来ていない,保健所に勤務する保健婦は,少しでも收入をあげ成績とする為にエイエイとしている.クリニツクや集団検診,そして予防接種などにその活動1/3をうばわれ,残つた時間の中で行う家庭訪問指導はわずか10%〜20%まで出れば上々,それならその出来ない部分はどうしているかといえば,放置,よい方で管内町村保健婦又は国保保健婦に連絡して依頼しているという.
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