特集 結核問題の展望
家庭→結核療養所→家庭と社会
井上 泰代
1
1桐蔭学園
pp.36-41
発行日 1954年5月15日
Published Date 1954/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910017
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だれもが痰を路上に吐き散らすことを厳禁し,又結核患者の使用したもの触れたものの厳重な消毒ができさえすれば結核の管理は一応完了できるものと考えた時代もありましたが,只今は集団検診による患者発見,早期治療未感染者の予防接種,接触者の定期的健康診断それに社会の組織力をもつてもつと積極的に結核の予防と撲滅を計画できる手段を考えて参りました。この間種種な時代を通じて,医師の強力な助力者として看護婦と保健婦は結核の予防と撲滅の仕事に益してきたことは見逃すことの出来ない事実でありましよう。
集団検診にしても以前はそれが予定通り行われる裏にはツベルクリン反応や,予防接種に就いて納得させなければならず,期日を間違えずに受診させる保健婦たちの精神的な又身体的な労苦は集団検診の偉大な結果の蔭におおわれて了つてはいますが,忘れてはならないと思います。
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