特集 地域精神衛生活動と保健婦
第I部 地域精神衛生行政の現状と諸問題
公衆衛生における地域精神衛生活動
桑原 治雄
1
1京都大学医学部公衆衛生学
pp.25-29,33
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204057
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はじめに
公衆衛生の分野には内科とか外科のようにきちんとまとまった技術の体系はなく,いろいろな技術を利用して住民の疾病予防や健康増進を推進しようとする公衆衛生活動があるだけです。公衆衛生活動とは何かとの問いかけが従来から種々の観点から行なわれており,この種の論議のなかで,公衆衛生従事者に一番記憶に残っているのはいわゆる"保健所たそがれ論"でしょう(1)。この論議は十分検討を加えねばならない問題提起を含んでおり(2),これまでの種々の保健所改革案はこの点を放置したまま行政上の弥縫策のみを論議していて(3)肝腎な点が十分反省されずにうやむやにされていくような感じが致します。それ故,まず公衆衛生活動について検討を行ない,次いで公衆衛生活動における地域精神衛生活動について述べることにします。
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