特集 地域精神衛生活動と保健婦
第I部 地域精神衛生行政の現状と諸問題
保健所保健婦と精神衛生活動
北野 博一
1
1新潟県衛生部
pp.21-24
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204056
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1.保健所における精神衛生業務
地域精神衛生活動を進める上で,精神病院や精神衛生センターあるいは精神衛生相談所の他に,保健所に期待するところが大きいのは,昭和40年6月30日法律第139号で精神衛生法の一部改正と同時に保健所法も改正されて,新たに保健所業務として精神衛生に関する事項が明確に規定されたことでもわかる。それまでは一部の都府県で,保健所が単に鑑定立会いに従事したり,三歳児検診にさいして精神発達の程度を診たりしてきたに過ぎない。しかし幼児のしつけも保健婦たちが取扱って母親の良い相談相手となっていたことは,広い意味での精神衛生業務だったとも言い得る。
法律改正前,ぜんぜん手つかずではなかったけれども,法律改正によって精神衛生業務が系統的に保健所業務にとり入れられることになったわけである。
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