特集 地域精神衛生活動と保健婦
第I部 地域精神衛生行政の現状と諸問題
地域精神衛生対策の現状と問題点
大森 文太郎
1
1厚生省・精神衛生課
pp.15-20
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204055
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地域精神衛生対策は,ライシャワー事件が1つのきっかけになって行なわれた。昭和40年6月の精神衛生法の一部改正により,行政的には1つの大きな進展をとげた。すなわち,この法改正により新たに保健所の行務として,地域における精神障害者の相談および訪問指導が加わり,そのため保健所法の一部改正が行なわれ,精神衛生行政の地域における第一線の推行者が保健所である事を法的にはっきり規定した。またこれにともなって,従来精神衛生相談行務を行なっていた精神衛生相談所が廃止され,新たに都道府県における精神衛生に関する総合的技術センターとして精神衛生センターが設けられた。このように地域精神衛生活動にたいする一つの体系を法的に明確にした。またこの改正において,精神障害者の通院医療にたいして,その医療費の2分の1を国庫負担にすることになり,精神障害在宅患者が治療を受けられやすくする等の改正が行なわれた。
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