特集 地域精神衛生活動と保健婦
グラフ
在宅精神障害者に光を!—東京都における医師と保健婦の訪問活動
東京都荒川保健所
pp.2-8
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204052
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遠くふるさとをはなれて,たったひとりで,働きに出てきた人びと,家族はあっても,となり近所からはまったく孤立無縁の家庭,騒音と,多忙と,さまざまの生存競争に疲れる大都会東京には見捨てられた精神障害者が,あの家にも,この家にも――いる。医療機関はあっても,利用するすべも知らず,また患者をとりまく人びとの偏見から,できるだけ人目につかぬようにしていることが,この現状に拍車をかけている。こうしたなかで患者を発見して,家族を励まし,治るという確信をもたせ,一人前の生活ができるように指導することは,並大抵のことではない。しかし,この困難な仕事に飛びこんで,都立精神衛生センターの小坂英世先生とともに,訪問に出かける,荒川保健所保健婦,松浦光子さんの表情は,思いのほか明るい。松浦さんは,保健所では,保健課に属し,精神衛生の仕事を,全地域ひとりで受持っている。
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