特集 地域精神衛生活動と保健婦
レポート講評
保健婦に精神科医がのぞむもの—家族会結成のレポートをめぐって
岡田 靖雄
1
1東大医学部附属病院精神神経科
pp.85-88
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204066
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1.地域精神医学の発達
この数年,地域精神医学community psychiatryあるいは地域社会精神衛生への関心がたかまってきているが,それらの定義なり内容を問われると適確な答はむずかしい。
地域社会とは,社会学的にはなにか,日本に地域社会は存在するのか,といった議論もある。とくに,歴史家羽仁五郎さんは,"日本におけるコンミュニティの概論について"の講演(1966年4月日本精神神経学会総会,精神医学第8巻第10号)で,地域社会とは学問的内容を欠くにせ概念であり,使うとすれば自治体の語でおきかえるべきである,と鋭く指摘された。
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