ニュース診断
朝鮮大学の認可問題と私たち
戒能 通厚
1
1東京大学社会科学研究所
pp.57
発行日 1967年10月10日
Published Date 1967/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204045
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東京都小平市に,約2万坪の美しい学校があります。日本にある,朝鮮人のための唯一の「大学」であり,約1,000人の学生と約100人の教職員がここで,学問研究にいそしんでいます。大変静かなこの学校が,現在,「認可」問題で私たちに大きな問題を投げかけているのです。9月11日,美濃部知事が,都の私立学校審議会に諮問をする前から,政府自民党側は,あらゆる形で圧力をかけ認可しないように要求していますが,美濃部知事が認可をすると決定しない以前から,政府がなぜこれほどまで「心配」するのか,わかりにくいところもあるかと思います。表面的には,各種学校として,一定の要件を備えていれば,それがその通りであると確認し,その要件が満たされなくならないよう「監督」していくのが,認可という行政処分でありますから,朝鮮大学校も,法の外に置くよりも,認可する方が,監督も,やりやすくなるはずと考えるのが,常識でしょう。
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