ニュース診断
あなたの内なる朝鮮人問題
久米 茂
1
1深夜通信
pp.697
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205362
- 有料閲覧
- 文献概要
地震の避難法は書いてあるけれど
みなさんの住む地域,あるいは職場の地域で発行される(または配布される)刷り物をみなさんは手にされることがあろう。8月から9月初めに出ている自治体・消防署・防犯協会あたりの印刷物に目を通していただきたい。そのどれかに"大地震がおきたら"といったタイトルでその対策とか心がけとかの解説があるはずである。たいてい図解・写真まで掲げてあり説明も懇切丁寧。そして例外なく50年前の関東大震災の思い出や経験・記録が記されているだろう。いま私の手元にもいくつかある。それらをまとめてみるとほぼつぎのような書きっぷりである。
まず 1)日本は地震国。これは宿命的ともいえるもので逃がれるスベはない。だから被害を最小限にくいとめる工夫と対策を講じなくてはならぬ。2)被害の想定と対策。建物の倒壊によって函数的に火事が発生する。その延焼拡大で被害は大きくなる。だから出火の未然防止・初期防火・危険物の安全管理に取り組まなくてはならぬ。3)発火時の対策。第一次的責任者である消防署が活動をするが,市民はあわてずおそれず指示注意に従う。4)避難対策と事後対策。危険を感じた市民はいわゆる自由避難を始めるので,当局では暫定的な避難場所を事前に指示しておく。被災者はそれをよく承知しておいてほしい。災害鎮圧後も人心は動揺しつづけるから広報措置を徹底させる……といったことである。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.