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私は参議院議員として,助産婦として,女性のリプロダクティブ・ヘルス/ライツを確立するため努力をしてきましたが,低用量ピル認可に向けた働きかけもその一環として研究会・政策勉強会などを通じて最大限やってまいりました。この度「低用量ピル」という選択肢を日本の女性が手にすることができたことは大きな前進をとげたといえます。
女性が自らのリプロダクティブ・ヘルス/ライツを承認するということは,自らの女性性を認知したうえで自立することですが,真の始まりはこれからだと思います。受胎調節実地指導員の役割を引き受ける助産婦には責任も生じてきます。ピルをより求めやすくする,より適切な保健指導や相談を受けやすくする環境整備,医療界で働く人々の専門性の効果的発揮により受益者のニーズに応えられるなど,解決しなければならない課題は山積しています。人間が互いに人対人として認め合い,他性を理解し尊重する相互間の受容が,どのように熟してゆくかにかかっていることであるとも思います。私自身看護婦・助産婦・受胎調節実地指導員でもあり,同性の悩みに触れてきた経験から多くを学びました。かつてわが国の女性は,一人の人間として自立していくための選択肢に乏しく,そのことに気づかない女性,気づかせてもらえない多くの女性がいました。リプロダクティブ・ヘルス/ライツの課題達成は看護職者であり政策作成の場にいる私にとって燃える課題でした(今もそうですが)。ピルの認可に40年もの長期を要したことは,日本がやはり「男性社会」であると感じざるをえませんでした。そこで,改善をめざして多くの議員の協力をとりつけることを考えました。まず,自民党内の勉強会に,松本清一・熊本悦朗先生をお招きし「性感染症とエイズの問題」について講演していただきました。「ピル・エイズ・性感染症」をテーマにしたのは,初めてでした。
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