特集 低用量ピルのすべて—女性が避妊の主人公に
低用量ピルの認可—助産婦の立場から
清水 敬子
1
1日本家族計画協会クリニック
pp.210-215
発行日 1996年3月25日
Published Date 1996/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901435
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はじめに
産む性である女性にとって,子どもという新しい生命をこの世に産み出すことは,人間として最も尊厳に満ちたことのひとつである。しかし,有史以来,妊娠を避けようとする試みや堕胎など,女性の身体に負担を強いる出来事は常につづいてきた。わが国の合計特殊出生率は1.5となり少産化がますます進行する一方,子どもを産み終えた30歳以上の女性の中絶件数は全体の60%を越えている。この現状をみる限り避妊の知識が十分浸透し実行されているとは言い難い。
母子保健全般にわたってかかわりを持ち,受胎調節実地指導員でもある助産婦には単なる避妊方法の指導だけでなく,家族計画の理念をしっかり踏まえ,かつ個々の避妊法の内容を熟知し,使用する側のニーズに合わせた指導を行なう能力が要求される。避妊教育が不備な今日,助産婦は女性の妊娠,分娩という機会にきちんとした女性の避妊指導を行なう役割を担っているといえる。
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