メディカル・ハイライト
活性ビタミン剤
堀田 凱樹
1
1東大医学部薬理学教室
pp.58-59
発行日 1967年5月10日
Published Date 1967/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203935
- 有料閲覧
- 文献概要
■日本人の薬好き
日本人が外国へ旅行するときにはシコタマ薬を買って行かぬとひどい目にあうとよく言われます。じっさい,どこの国へ行っても,日本のように薬屋で自由に薬を買えるところはありません。薬というものは健康を維持するために使うものではなくて,病気を快方に向けるための道具として用いられるのが常識なのですが,わが国ではいわゆる「保健薬」が大流行しているのです。
わが国の医薬品生産高の推移をみますと,昭和35年には1760億円だったものが昭和40年には4580億円となり,たった5年間で2.5倍以上の増加を示しています。国民1人当りの年間薬品購売高も2500円から5800円へと驚くべき増え方です。もちろん毎年新しい薬が開発されるし,物価の値上りもありますけれども,このような製薬産業の高度成長ぶりは何によ,てもたらされたものでしょうか。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.