特集 くすりの新しい使いかた
ビタミン剤
奥田 邦雄
1
1久留米大第2内科
pp.693-696
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202239
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ビタミン剤を用いる薬物療法の進歩という主題であるが,ビタミン剤それ自体の改良あるいは新しい製剤の開発と,従来考えられていなかったような適応が発見され,加えられたというような問題になってくると思う.ビタミンに関しては,最近,新しいものが発見されたわけでなく,今後新たに発見される可能性も少ないが,最近の話題の1つはB12の補酵素型が同定され,その酵素化学的な作用機構がつぎからつぎに明らかにされつつあることで,したがって製薬界ではこのB12補酵素型をとりあげて製品化している.
ビタミン剤の臨床適応の点では,ビタミン欠乏症は,戦後,食糧事情の改善により昨今きわめてまれになってきているが,ビタミン欠乏症の治療でなくて非特異的とでもいうべき(あるいは薬物的な作用によるものかもしれないが)ビタミン大量療法が新たな適応をみいだしつつあるようである.以上,このような点について最近の話題的なものを考えてみることにする.
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