特集 保健婦現代史―そのあゆみとゆくて
第Ⅰ部 公衆衛生行政の流れと保健婦
高知県における衛生行政の流れと保健婦の歩み
上村 聖恵
1
1高知県厚生衛生部医務課
pp.43-47
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203823
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「保健所は保健所の所在地,あるいはその周辺のみの住民に対して設置されているのではなく,管内住民すべてに対しての保健所であることを忘れてはならない」「保健所の健康相談に訪れる人の利用状況はどうか。周辺のみの人たちが多いのではないか」「保健婦の家庭訪問も周辺のみに濃厚であり,必要であっても遠隔の地の人たちには稀薄ではないか」こうした内容の討議が行なわれ始めたのが昭和23年の4月頃からでありました。住民主在,住民のための公衆衛生という点について,すべてが受ける側からの立場でなくてはならないと考え,改めて全体の奉仕者であるという点を自覚したことでした。
昭和23年,県の機構改革にあたり衛生部が設置され,医務,公衆衛生,予防,薬務の4課ができ,それまであった5ヵ所の保健所の内容を充実するとともに,さらに新設保健所が建設され管内人口も縮少されるなど,衛生行政が画期的な発展を見るようになり始めました。
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