びぶりおていく
看護婦のための心身医学/職業病と労働災害
鈴木 藤子
1
,
青山 英康
2
1京大病院精神科
2岡山大学衛生学教室
pp.60-61
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203765
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一般看護の基本原則をあらためて知らせる本
消化性潰瘍,気管支端息症など,いわゆる心身症とよばれている疾患の症状形成には,現代の競走社会における対人的ストレスがきわめて重要な関係をもっていること,そして,その治療にあたって治療者のみならず,看護者や家族の患者に対する心理的な配慮が大きな役割を果たすということは,今日の医学のほとんど常識といってもさしつかえないでしょう。この本は,心と体あるいは心と病気との複雑な働きあい,心身症の診断や電気生理的な検査の方法,その治療,それから看護の問題と,順をおってわかりやすく,心身医学の全線を説明してくれています。
特に,心身症の看護にあたっては,1.患者の心理を知ること,2.チームワークの重要性,3.自分自身を知ることが大事であるとし,また特に入院患者について,"怒っている患者""泣いている患者""不安な患者"等々おのおののタイプをわけてその心理を説明し,これらの患者に接する具体的な態度を示している点は,きわめて印象的です。これらは患者と看護婦という特定な関係でなく,私たちの日常生活にもあてはまる問題でもあるわけです。
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