海外の保健婦活動
ニュージーランドの保健婦活動—(その2)学校保健,産業衛生,地区保健婦活動
岩佐 淳子
1
1厚生省
pp.65-69
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203609
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学校保健
(その1)で述べたように,5歳までは母親が必要と思えば年に1,2度Plunket Clinicを訪れるが,その後5歳から小学校に入学して学校保健の管理下になる.ニュージーランドの教育制度はややこしいので省略するが,最初の2年はプリマとよばれ,その後7歳からはスタンダードにはいる.
学校には日本にあるような保健室はなく,専任の養護教諭もいない.一般公衆衛生保健婦が適宜地区内のいくつかの学校をまわっている.学校を訪問することは事前に連絡されているので,保健婦がいくと,保健室にあてられている一室に担当教師がなん人かずつ児童をいかせる.そこで検眼したり,予防注射をしたりする.検眼でひっかかった子どもには,保健婦が母親あてに,眼科専門医にみせるよう連絡票に書きこんでその子どもに渡し,担当教師にその旨話をしていた.余談になるが,午後乳児の家庭訪問の帰途立ち寄ると,でてきた母親は「学校から子どもが連絡票をたしかに持ってきた.自分も最近子どもの本の読み方が近すぎるように思っていた.どの眼科医がいいか」などと保健婦に相談していた.
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