びぶりおていく
看護労働の諸問題/幼きものよつかのまの/愛なくば/女ざかり
佐口 卓
,
I
,
S
,
定村 敦子
pp.68-69
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203548
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看護労働に科学的なメスを入れる
看護婦がその高い職業倫理をもたねばならず,またもつことが要請されても,今日の社会にあっては基本的には婦人労働者である.この職業倫理と労働者とを対立的にとらえることから,多くの問題が発生しているとみてよいであろう.そして多くの場合,この対立が管理者と従事者のそれとなって現われてくるところに,困難な事態があったとみられる.だが,職業倫理の要請は適正な経済的条件の裏づけによって可能となるし,まずもってこの対立関係をときほぐしていくことからはじめられねばならない.
著者は,看護婦は看護という社会的有用労働を行なって,その対価としての賃金をうけとる賃金労働者であると規定し,他の女子労働者と異なるのは社会的有用労働としての労働の内容と質である,と本質を明らかにされている.しかし,この根本的規定は経済学の視角にたち,看護労働の特殊性をになっている看護婦を追求するものではあるが,これらの理論的検討を終始おこなっているものではない.これらを背景におきながら,手法的には現代のわが国における看護労働の実態をとりあげ,克明に分析しているものである.
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