連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・68
心を豊かにする幼き日の思い出
柳田 邦男
pp.924-925
発行日 2011年9月10日
Published Date 2011/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102209
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大人こそ絵本を読もうと,エッセイや講演でよびかけるようになって,はや12年になる。最近,この数年間の本誌の連載エッセイを中心に,あちこちに寄稿してきた絵本エッセイを,3冊のシリーズにまとめて出版した。私の絵本エッセイは,心のもち方や心の成長・成熟についてのとらえ方や病気を背負っての生き方など,内容が人生エッセイになっている。だから,3冊のタイトルを,心にやわらかく語りかけるような言葉にするとともに,表紙の片隅に通しのサブタイトルとして,〈「絵本は人生に3度」手帖Ⅰ〉〈同手帖Ⅱ〉〈同手帖Ⅲ〉という言葉をつけた。そして,3冊のメインタイトルは,次のようになっている。
Ⅰ『雨の降る日は考える日にしよう』
Ⅱ『夏の日の思い出は心のゆりかご』
Ⅲ『悲しみの涙は明日を生きる道しるべ』
人生エッセイだから,タイトルにも内容にも,私自身の心模様が投影されている。
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