Medical Hi-lite
仮病とまちがえられやすい子どもの病気—起立性調節障害
F. K.
pp.66-67
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203547
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起立性調節障害とは
起立性調節障害というと,どうもいかめしい病気に聞こえるが,わりあいにありふれた子どもの病気なのである.古くからあった病気と考えられるが,このものとしてわが国で最初に報告されたのは昭和33年のことである.
医者を訪れるきっかけとなる最初の症状として,「根気がなくなった」「朝学校へ行きたがらない」,「乗物酔いしやすい」,「朝礼の時などに気持ちが悪くなったり,脳貧血を起こして倒れやすい」それに「なまけぐせがついた」などといったものが多い.こういう症状のほかに,頭痛や腹痛を訴えたり,朝の寝起きが悪かったりするのでよく仮病ではないかと疑われることがある,しかし実際に子どものほうでは身体の具合が悪くてそうなっているのである.従って顔色が悪い,微熱がある,疲れやすい,それに腹が痛いというようなことから貧血症,結核症,寄生虫症または,単に虚弱児童として扱われることもあるので,診断に当たってはそれらの疾患とはっきり鑑別する必要があり,また適当な処置を受けるためにも,専門医を訪れてその指導を受けるべきであろう.
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