特集 慢性疾患患者と保健婦
座談会
気持ちよく療養生活をつづけさせるには—病人環境の整備をめぐって
清水 寛
1
,
木下 安子
2
,
森 米子
3
,
岡崎 弘子
4
1東京都中野北保健所
2東京大学医学部保健学科
3埼玉県埼玉中央保健所
4高知県本山保健所
pp.34-45
発行日 1965年9月10日
Published Date 1965/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203461
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都市では生活環境が問題
清水(司会) 病人環境といっても今日は家庭のことになりますから,どうしても病人が寝ている住まい,住宅ということがまず考えられる.そしてその住宅の中の病人の寝ている部屋というものが一つある.またその家の回わりの環境ということも問題になってくる.そういう場の問題のほかに,家ですから家族というものがある.家族の構成もあるでしょうし,家族それぞれとの人間関係というものも,長い病気の間にはいろんな難点が出てくるということも考えなきゃならない.病気ということに関連して食事という問題もある.家庭生活を営んでいるということ.病人といえども日常の人間生活を停止してしまってるわけじゃないんで,やはり人間生活を営んでいるわけですから,その人間生活のリズムをあまりこわさないようにする.いつまでも現在の状態がつづいてゆくということでなく,病人というのは,いつかは立ち上がって健康な元の身体にもどらなきゃならないということがありますので,長い病気の間に,働く意欲を失ってしまったり,あるいは生きてゆく希望を失ってしまったりしては困るわけです.そこでリハビリテーションということも問題になってきます.とにかく,慢性疾患における病人環境の整備と一口にいいましても,ひじょうに広い種々雑多の問題を含んでいるわけです.
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