特集 中小都市の保健活動
座談会
"くらしの中の公衆衛生"活動のねらい—住民の生活そのものをつかまえることから
林 秀
1
,
橋本 善彦
2
,
三舟 泰造
3
,
伊与田 芳雄
4
,
伊藤 久史
5
,
大森 ミサ
1
,
三浦 アイ
6
,
弘末 梅香
6
,
橋本 ユリ子
1神奈川県小田原保健所
2神奈川県衛生部医務課企画教育係
3神奈川県小田原保健所保健予防課
4神奈川県小田原保健所総務課
5神奈川県小田原保健所衛生教育係
6小田原市役所衛生課
pp.20-29
発行日 1965年8月10日
Published Date 1965/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203443
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
所内の思想統一を徹底的に
司会 「暮しの中の公衆衛生」ということばですが,このことばが,こと新らしく耳に感じられて,なかなか耳ざわりのいいことばだなと思いながら,なんとかして小田原保健所だけではなく,神奈川県全体の公衆衛生活動の一つの姿としてうち出してみたいと,私はそんなことを考えているのですが,この活動の始まりを振り返ってみますと,昭和35年のことだと思います.その後「暮しのアイデア」とかなんとか,民間からもそういうことばをとり入れられるようになって,おかぶをとられたかと思ったんですよ.まあ私どもが公衆衛生において「暮しの中の公衆衛生」というものの活動を,どう伸ばしていったらいいか,公衆衛生の本筋の中で伸ばしてゆきたいという県庁側の努力もしてみたのですが,一番初めにこの発案をされた,いまの衛生部長の栗原先生が,当時保健所長としてどんなふうにこれを職員の皆さんに指導されたか,どんなお考えでこの「暮しの中の公衆衛生」という仕事を軌道に乗せようとしておられたか,その跡を少しふり返ってみたいと思います,そのときに,栗原所長さんのもとにおられて,指示されたものを受けて立つのに苦労した,とまどったというふうなお話しをきかせていただきたいと思います.
伊藤 ちょうど35年でしたか,町村と地区,それから保健所との三者の連繋みたいなものがそのころは少なかったんです.
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.