たいだん
くらしの中の公衆衛生活動から学んだもの—たしかに先進的な活動だが………
田中 恒男
,
本誌編集室
pp.66-71
発行日 1965年12月10日
Published Date 1965/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203530
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地区管理と保健指導の役割分担を
編集室 あのルポでは保健婦活動が前面にでていなかったですね.私としては小田原の場合保健婦活動が独自にあるのではなく,班活動の中の活動というふうに総括していいんじゃないか,保健婦だけが動いてるという印象はなかった.むしろ班活動の中の重要な一員という受け取り方をしたし,班が保健所と地区の接点であるならば,そのまた接点というか,最先端,班と地域とを結びつけるのが保健婦だという受け取り方をしたわけですね.
田中 この点で,まず考えてみなければいけないのは,保健婦の本質にふれてくる問題だと思うんです.よくいわれているように保健婦がなにをしたらいいかということで,ふたつの大きな意見の分かれがあると思います.そのひとつは要するに保健所に働く保健婦という意味で,これは看護に基礎を置くにしろ,その看護活動を前面に押しださないで,むしろ行政の線にのっとった,しかも多面的な働きを期待される.特に地区管理者のような立場の働きかたが中心になってくるんだという説とそれからもうひとつの説は,保健指導を中心に行なう人間である,看護に基盤をおいた保健指導だという,ふたつの両極があるわけですね.
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