ユースカルチャーの現在・42
青年期における変わらないもの—『ライ麦畑でつかまえて』と『アニー・ホール』
渡部 真
1
1横浜国立大学教育人間科学部
pp.46-49
発行日 2004年1月25日
Published Date 2004/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200147
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
A 今回は,「青年期における変わらないもの」というテーマで考えてみましょう.使う資料は,J.D.サリンジャーの1951年の小説『ライ麦畑でつかまえて』とウディ・アレン監督の1977年の映画『アニー・ホール』で,ともにアメリカの作品です.この連載で日本以外を舞台にした小説や映画を扱うのは初めてかもしれません.
B 1951年と1977年というと,ずいぶん昔ですね.
A 1951年は53年前で,僕もまだ生まれていませんでした.ただ,そうした大昔の外国の作品の中に,現在の日本の青年が直面している様々な悩みや問題がそのまま出てくるのが興味深いんです.
B 国や時代が変わっても,若者の悩みは変わらないということでしょうか.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.