綜説
くらしの中の公衆衛生活動の進め方の特徴とその評価
和田 栄子
1
1神奈川県小田原保健所
pp.119-125
発行日 1964年3月15日
Published Date 1964/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202799
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I.趣旨
小田原保健所では,昭和35年度から「くらしの中の公衆衛生活動実践運動」を展開している。公衆衛生活動とは,一面地区住民自身が協力して,健康を害する生活上の因子をとりのぞき,もっと健康な生活を築く意欲をもつようにする一種の社会活動である。従って地区民の一人一人がこの運動の必要性を理解し,自主的に実践するのでなくては,この運動の効果を期待することはできない。「くらしの中の公衆衛生」という表現は,経済,環境,保健,対人関係等,複雑な生活構成条件が錯綜する中で,単なる保健問題としてではなく,他因子との相互関係を考慮しつつ,広い意味での生活改善を目指すことを意図したものである。それ故,ともすれば関連を失い易い多種多様な公衆衛生事業を,如何にしてこの有機的な日常生活のなかに適応させ,また地区民に単なる知識としてではなく実践する意欲をもたせることが出来るかが,この運動の基本的方向である。
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