特集 学生実習の一つの試み
人びとの生活そのものをつかまえる—夏期集中実習のねらい
釘本 完
1
1信州大学・公衆衛生
pp.12-14
発行日 1966年5月10日
Published Date 1966/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203641
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生活と科学と現実とを
公衆衛生の原理はむしろシンプルなものと思いますが,これと現実の公衆衛生活動との間には大きな隔りがあり,これにはひじょうに複雑,困難な問題が含まれております.
保健婦活動として公衆衛生の原理を具体化させ,これをわれわれの生活の中に生かすためには,まず公衆衛生活動としてなにをとりあげるべきかという実践課題を設定することが出発点となるのはいうまでもないことですが,さらにつぎの2段階を経なければならないと思います.一つは自然科学の1部門として医学の他の部門と同様,ますます細分化,専門化され,精密化されて発展してきたこの学問の内容を,はなはだ具体的,総合的な現実の社会生活の面から体系化することであり,つぎにこれを実際におこないうるような活動形態(ここでは保健婦活動)にまとめることであります.これらの段階を経てはじめて原理と活動がむすびつくわけであります.
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