特集 結核保健指導の再検討
患者管理の運営
御園生 圭輔
1
1保生園
pp.18-22
発行日 1965年7月10日
Published Date 1965/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203427
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
登録票を中心とした結核患者管理が全国の保健所で実施されるようになったのは,昭和36年からである.患者管理は今後の結核対策の中心となるべき施策であり,将来保健所はこの業務を通じて地域における結核予防事業の中枢的存在となるものと考えられている.患者管理では個々の患者を治療により治癒させることと,周囲への伝染防止を図ることとを目的としている.治療と予防といえば異なる面の事業のようにみえる.しかし,一人の患者を完全に治癒させることは新らしい伝染のおこることを防止させることに通じている.現在の進歩した結核医学は大多数の結核患者を治癒させうるようになった.新らしい感染者(ツ反応自然陽性者)が減ずれば,それだけ患者の発生は減じてくる.現在では治療と予防とは表裏の関係にある.このことを推進する施策が患者管理である.実施後4年を経過したが患者管理は十分な効果を発揮しているだろうか.
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.