保健所の問題点
事業のあり方と管理運営について
清水 利貞
1
1厚木保健所
pp.461-463
発行日 1963年8月15日
Published Date 1963/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202707
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「保健所の問題点」これ程書き易いようでむずかしいテーマはない。これに類するものは過去において先輩諸兄の何人かが書いている。今回編集当局は約800名の候補者から選ばれた理由は知らず,試験問題の解答を書くような気持でこの問題を取扱ってみたい。ここでは保健所事業の問題点には多くはふれず,ちようど型別保健所,共同保健計画が打ち出されて軌道に乗りつつある時期でもあるので,保健所が公衆衛生の第一線機関であり保健所活動が再検討されつつあるやに聞いているので,保健所の管理運営保健所事業のあり方について述べることにする。
年1回恒例に開催される全国保健所長会総会において,保健所に関する諸問題が提案され種々論議され解決への努力がされているにもかかわらず毎回30題前後の議題が審議されている。過去数年のものをみても,何れも重要なものでありまだ解決されない問題も多い。これ等を集めるだけで「保健所の問題点」は列挙出来そうである。昨年の第19回総会の議題をみても,法令改正,保健所整備拡充,その他と分けられてあるが,大部分は保健所の現況を前提としての保健所事業の問題の解決を論ずるものが多く,保健所の問題点というような保健所活動の基となる保健所自体のあり方についてのものは少ない「保健所の問題点」を考える立場として保健所の外より見て保健所の将来を考えての問題点と,保健所の側に立っての考え方とあるが,職責上後著の立場よりみた意見である。
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