特集 くすりのはなし
置き薬の実態調査
都祭 波江
pp.43-44
発行日 1965年5月10日
Published Date 1965/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203393
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はじめに
山田町の多受診世帯の国保加入率は約4%で,この多受診世帯の医療費を見ると,12%という驚くほどの高率を占めているので,昭和38年度には,共同保健計画の一環として取りあげ,多受診,無受診世帯と,環境衛生の面と,社会心理,精神衛生との関係など,家族保健指導を行ないながら調査してきたが,その結果,さらに実態を把握し,検討を加えなければならない多くの問題が含まれているので,年間受診率600%以上の世帯であって,擬制世帯および健康保険加入者を除き,なるべく一般的な家族構成の世帯の中から,無作為で特に地区的条件は考えず,モデル,ケースとして,多受診世帯15,無受診世帯15,計30世帯を選定して観察を行ない,対策を考えてゆく方針を立てたので,昭和39年度は,保健婦の年間計画の中に組み入れて計画し,4月と10月の2回家庭訪問を行ない,現状を把握しながら問題点を探究したところ,無受診世帯といえども,まったく受診しなくても病気のあった世帯が7割強も占め,あとの3割の世帯も,置き薬あるいは買い薬で,その場の苦痛を押えていた現状である.
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