連載 見たい統計 自在に分析! 保健医療福祉計画データウェアハウス・7
医療給付実態調査
岡本 悦司
1
1福知山公立大学地域経営学部
pp.984-992
発行日 2018年11月10日
Published Date 2018/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201063
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長瀬恒三,といってもピンとくる人はいないだろう。長瀬はわが国に健康保険が創られた頃の保険数理技師で,レセプト統計に取り組み,1935年に刊行した「傷病統計論」は医療費分析の古典として知られる1)。長瀬は当時,さまざまな負担割合だったレセプトを分析し,患者負担割合と医療費との関連を二次式で表した。この式は「長瀬式」と呼ばれ,例えば小児医療を無料化した時の補助金削減の算定式として,現在も使われている。「レセプトは単なる請求書ではなく傷病統計データだ」と主張した長瀬に敬意を表しつつ,連載7回目はレセプト統計として医療給付実態調査を取り上げる。
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