特集 医療と公衆衛生
国民の健康の現状と医療制度
国民の健康は危機にひんしている
村中 俊明
1
1北海道衛生部
pp.21-26
発行日 1965年3月10日
Published Date 1965/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203326
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はじめに
昭和39年は,北海道にとっては忘れることのできない年になりました.雨と寒さのために全国的な豊作をよそに,500億円を越える農業被害が出ました.被害の実態を把握するため,衛生部では課長を班長に4つの班を編成して現地調査をしました.そして衛生部としては開拓農家に重点をおき,移動保健所の機能をもたせた巡回指導を現在行なっています.車には医師のほかに看護婦,保健婦,栄養士が乗り,家庭保健薬や粉ミルク,食用油を用意しました.雪解けから春先にかけて栄養障害が現われるのではないかと心配しています.冷害の中での新年度予算編成には頭を痛めています.でも少しでもよい仕事をしたいと念じています.
国民を不健康にする原因はずいぶんたくさんあります.その中で行政的な立場から予算について考えてみたいと思います.
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