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第1土曜特集 健康危機への備えと対応――パンデミックと能登半島地震を踏まえた社会とシステムのあり方
社会と健康の視点から
健康危機におけるリスクコミュニケーション
Risk communication for public health emergencies
蝦名 玲子
1
,
中山 健夫
1
Ryoko EBINA
1
,
Takeo NAKAYAMA
1
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野
キーワード:
リスクコミュニケーション
,
クライシス・緊急事態リスクコミュニケーション(CERC)
,
偏見・差別等
,
偽・誤情報
,
インフォデミック
Keyword:
リスクコミュニケーション
,
クライシス・緊急事態リスクコミュニケーション(CERC)
,
偏見・差別等
,
偽・誤情報
,
インフォデミック
pp.48-52
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293010048
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わが国では健康危機が発生するたびにリスクコミュニケーションの必要性が指摘され,対策も講じられてきた.しかし,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応の際も問題が繰り返された.その理由のひとつに,危機に適したリスクコミュニケーションを実装していないことがあげられる.そこで本稿では,まず,危機下のリスクコミュニケーションの特徴をまとめる.そのうえで,米国CDCとWHOの,公衆衛生の緊急事態の状況に特化したリスクコミュニケーションの概念,理論,原則をそれぞれ解説する.次に,COVID-19の教訓を踏まえたわが国の体制と計画を紹介する.リスクコミュニケーションの実施方法については,新型インフルエンザ等対策政府行動計画で対応の重要性が強調された,偏見・差別等と,偽・誤情報への対応に特化して解説する.危機下のリスクコミュニケーションを効果的に実施するためには,本分野について多面的かつ包括的に理解し,対応に生かせる人材育成が不可欠である.

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