シンポジウム 地区のニードと保健婦業務計画—第21回日本公衆衛生学会第6分科会
特別発言
保健所職員の協力態勢の強化を
真勢 静子
1
1北海道衛生学院
pp.43-45
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203313
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
教育するものの立場から発言をせよといわれましたので,日ごろ考えておりますことを申し上げてみたいと思います.
だいたい,私どもの仕事がこの世の中に出ましてから,20年たつわけでございます.その中から,反省してみなければならないわけですけれども,20年たった今,みんなが果たして,自分のした仕事に満足感を持っているか……ということに,ひじょうに疑問を持っております.なぜ満足感が得られないのだろうか.地区のケースの問題解決についてはそれぞれ喜びと満足は持っておりましても,地域全体の業務全体の満足というようなものをながめてみたときに,どうも欲求不満が残っているように思われます.考えてみますと,結局は,保健婦の教育のされ方,期待のされ方,それから評価のされ方が,それぞれ時代の変遷とか,地域や職域の違いによって,それが違っているところに,どうもあるように考えられます.仕事は,自己満足をするためにするわけではないのですけれども,保健婦業務のように,サービスをモットーとする仕事は,ある程度の満足がなければ,つぎのエネルギーが育たないのではないかと思います.単なる自己満足であっては,これはひじょうに困るわけですけれども,満足の問題は,これくらいにしまして,冷静に,保健婦業務の育成を考えますときに,それでは今のままでいいかどうかということを考えさせられています.
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.