特集 面接と保健指導
面接の訓練—面接にどうなれるか
仲村 優一
1
1日本社会事業大学
pp.18-21
発行日 1964年2月10日
Published Date 1964/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203033
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よい面接へのこころみ
いうまでもなく,わたしどもの行なう面接は,単なる世間話ではなく,ある目的をもって意図的に行なわれる会話である.しかも,面接者と面接の対象者が,おたがいに対等の立場で「あいまみえ」,話しあいをすることである.このような理くつばったことは百も承知であっても,実際にその場にのぞむと,なかなか思うようにはゆかないというのが,よい面接をしたいと心がけているすべての人の実感であろう.
よい面接というのは,決して話術がうまいということではない.口先だけの質問応答がいかにスムーズにできたとしても,専門職業家としての望ましい面接にはならない.単なる経験の積みかさねやカンによるのでなく,人間の心理と,人間をとりまく社会についての深い研究に根ざした対象理解,および面接者自身の自己理解を基礎とした科学的技術として面接がおこなわれてはじめて,それはよい面接になるのである.そこで,そのような意味での面接になれるための,よい方法は何であろうか.
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