入門講座 面接技術・1
面接の方法
佐々 好子
1
Sasa Yoshiko
1
1東邦大学医学部付属大森病院心療内科
pp.347-352
発行日 1998年5月15日
Published Date 1998/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105069
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Ⅰ.はじめに
面接とは,面接を行う者と受ける者とが双方の合意のもとに,ある目的をもって一定の約束に基づいて行うものである.この点が日常の会話とは異なるところで,理学療法室の訓練の場とか病室での会話などは,厳密な意味では「面接」とは異なった形式のものといえよう.
医療領域では,心療内科医や精神科医が治療方針を決めるために診断面接を行ったり,治療を目的とした精神療法を行うことがある.臨床心理士も心理的な問題についての相談面接や心理療法を行っているが,ソーシャルワーカーは医療相談や家族に対する相談面接の機会が多いかもしれない.
リハビリテーションの領域では,治療に先だつ総合的評価の一環として医学的診断と併せて,心理検査を含めた臨床心理学的な評価面接が行われる.また訓練への導入時やその後にも,何らかの心理・社会的問題によってリハビリテーションに支障をきたした患者には,臨床心理学的な相談面接や心理療法が行われる.他にも家族に対して患者の治療への協力を求めたり,家族自身を支えるための家族面接を行うこともある.
このように面接には対象や目的によっていくつかの種類があり,また面接技法もその背景となる学派の理論によって異なっている.しかし,ここでは特定の学派にこだわらず,面接にあたって知っておくべき基本的な事柄について述べる.
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