特集 集団検診その問題点と実施例
集団検診—保健活動において持つべき役割りと現実の間の矛盾
鈴木 継美
1
1東大公衆衛生教室
pp.6-9
発行日 1963年8月10日
Published Date 1963/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202891
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1.はじめに
集団検診が公衆衛生の仕事の中で重要な役割りを演じていることを疑う人はないだろう.しかし重要なはずの集団検診は,はたして必要にして十分なだけの役割りを果しているだろうか,産業集団で行なわれている定期健康診断,学校集団での集団検診,地域集団でのいわゆる地域集検などのいずれをとっても,数多くの問題をかかえている.
最近,健康管理研究協議会が「健康診断の再検討」をテーマとして第3回総会を開いたのも,集団検診のかかえている問題をもう一度考えてみようというところに問題意識があったのだろう.この総会でのいくつかの討論が,示唆したものは集団検診を保健活動の一環としてとらえ.そのための技術面を新らしく開拓し直す時機がきているということだと著者は受けとった.
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