特集 臨床医学最新の進歩・知識
精神障害・神経症—近代生活の副産物
後藤 彰夫
1
1同愛記念病院精神神経科
pp.47-51
発行日 1962年12月10日
Published Date 1962/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202711
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近代生活は,精神的ストレスの生活だという.かつて,アスピリン・エイジという新語をつくつたアメリカでは,休養のために精神病院に入院するという.嘘か本当かは知らないが,セリエやヴィコフにいわせるまでもなく,精神的な刺激が器質的な疾患をまねき,死に至らせることもありうるのだから,近代社会の中に生きる私たちは,時には精神的な安静も必要なのだろう.しかしノイローゼという言葉が,マス・コミにのつて流行した間に,その正しい姿が見失なわれてしまつた.今後問題となる精神衛生活動のためにも,また患者のゆがめられた心理の調整のためにも精神障害や神経症について正しい理解をもつてのぞむ必要があるだろう.
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