特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
2.自己免疫疾患の検査
4)補体系
(1)補体分解産物
清水 章
1
,
宮野 章
1
Akira SHIMIZU
1
,
Akira MIYANO
1
1大阪府立母子保健総合医療センター検査部
pp.174-178
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900837
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はじめに
免疫反応,炎症反応に伴い,補体系が活性化され,補体成分が消費され,生じた分解産物の一部が血中に流れる.従来CH50や補体成分の減少を補体活性化の指標としているが,分解産物の増加のほうがより鋭敏に活性化の程度を反映する.補体分解産物は,それぞれの疾患の重症度,活動性,予後,治療方針を判断する指標として優れている.自己免疫,アレルギー,感染症,炎症,出血,外傷,火傷,手術,透析など広範囲な病態に対し測定されている.
分解物のうち,C4a,C3a,C3dについてのデータが多く報告されている.C4d,C3b,C3c,iC3b,FactorBの分解物,C5a,終末補体コンプレックス(terminalcomplement complex,SC5b-9)なども重要な指標であり,これらのすべてが並行して増減するのではなく,種々の病態によって,血漿中に上昇する成分が異なっている.
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