検査ファイル 項目
フイブリン分解産物(FDP)
東 克己
1
1杏林大学医学部附属病院中央検査部
pp.492-493
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205591
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[1]FDPとは
血管内において病的にプラスミン活性が亢進した結果,フィブリンあるいはフィブリノゲンが分解生成さたものをFDP(fibrin/fibrinogen degradation products)と呼んでいる.フィブリン由来の分解産物を特にFbDP,フィブリノゲン由来をFgDPと呼び,前者は二次線溶,後者は一次線溶の際に出現するとされている1)が,通常は両者を合わせてフィブリン分解産物"FDP"と総称している.
FDPはフィブリン,フィブリノゲンの分解過程でX,Y,D,Eの種類が認められるが,最終的にはフィブリン分解産物の場合,E分画とDダイマー分画を含む種々の高分子分画が,フィブリノゲン分解産物の場合,E分画とDモノマー分画が出現する2,3).これらのFDPはトロンボプラスチン形成阻止,抗トロンビン作用,フィブリン重合阻止,血小板凝集能低下などの作用を持っている.
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