書評
橋本 正己 著—「衛生行政学序説」
大谷 藤郎
1,2
,
山崎 千春
,
山内 逸郎
3
,
橋本 正己
4
1統計調査部
2衛生統計課
3国立岡山病院小児科
4国立公衆衛生院
pp.57,64,67
発行日 1962年10月10日
Published Date 1962/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202677
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- 文献概要
高度の経済成長を背景とした都市化の進展,人口構造の老年化に伴う社会的状態の変化のなかで,最近の社会の変転はめまぐるしいばかりであるが,この変転する社会に対処して,衛生行政を真に地域住民のニードに合致させ,地域住民の健康をまもるためのものとするためには,いつたいどうすればよいのか.
公衆衛生の実際に携わつている人々は,中央地方を問わず,いつもこの問題に当面しているのであるが,著者はこれに対して,明快にその一つは衛生行政研究を科学としての方向に進めることにあるという,そして「この小著が衛生行政研究の科学化の要請にこたえるものであるなどという大それた気持はもつていないが,転換期といわれる衛生行政の現段階にあつて,衛生行政研究を一歩でも科学の方向へ高めることは私どもに与えられた責任であり,この小著の刊行も,このような方向への一歩前進の糸口にもなればと念願したからにほかならない」と謙そんしながらその抱負を述べている.
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