読者からの手紙
看護教育制度改革の道に思う
愛甲 美恵子
1
1大阪城東保健所
pp.9
発行日 1962年6月10日
Published Date 1962/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202583
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昭和35年3月,看護教育制度に関するセミナールが開かれたことに始り,私達の間にも看護教育制度改革に対する意気ごみが,日増しに深みを加えて参りました.併せて,日本の医療看護制度がより正しく編成されるとは,どんな具体化を望んでいるのかを,論議しました結果,ある程度問題点を見付け出す所までこぎつけましたので,今後なお深く研究,討議する必要を感じながらも,ここに中間報告を致したく存じます.
明治初年に芽生えた近代的看護の歩みも,社会の進歩,文化の発達と共に,おのづと看護関係職員への質的昂揚となつて,求められて参りました.だが,看護関係者の質と量との均衡は,いきおい需要と供給とに,困難性を増し加えて来ております.1万4000人余の看護婦(准看を含む)不足の続く今日,年々正看護婦の約3倍の准看護婦を社会に送り出している制度の中で,准看制度の是正をおきざりにした教育制度の体系化自体,看護の発展や実働看護婦の地位向上を望み得るものと言えるでしようか.
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