Nomade
医師の働き方改革に思う
相澤 俊峰
1
1東北大学整形外科
pp.3-4
発行日 2023年4月17日
Published Date 2023/4/17
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202001
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
ご存じのように2021年に医師の働き方改革を目指し,「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」(「改正法」)が公布されました.この「改正法」に基づき2024年から「医師の働き方改革」が適用されます.勤務医の時間外労働の上限は原則として月100時間,年間960時間(特殊な事情がある場合には年間1,860時間)とされ(A水準),この上限を超える場合には連続勤務時間制限が28時間,勤務間インターバル9時間を設けることが法的義務となります(上限以内なら努力義務).「寝当直」であれば宿日直許可を得たうえで,週1回の宿直,月1回の日直が可能です.さて,このような「働き方改革」が本当に可能なのでしょうか?
日本では医師の地域および診療科偏在が問題となっています.一般に医師は西日本に多く,東日本には少なくなっています.都道府県ごとの医師数をみると,新潟県,岩手県,青森県がワースト3です(厚労省医政局,2018年).また,同じ県内でも場所によりだいぶ違います.僕が住む宮城県では仙台圏には十分な数の医師がいますが,気仙沼市や登米市といった北東部などはかなり不足しています.診療科による医師の偏在も問題です.宮城県でも心臓血管外科や救急科などは非常な医師不足にみえます.
Copyright © 2023, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.