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特集 見逃してはならない耳鼻咽喉科疾患—こんな症例には要注意!
《耳領域》
外耳道炎だと思っていたら外耳道癌だった!
Diagnosis of external ear cancer
太田 有美
1
Yumi Ohta
1
1大阪大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
pp.990-994
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201861
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Case
患者は51歳,女性。縦隔腫瘍の精査のため他院でPET/CTを撮影したところ,左外耳道に集積を認めた。耳漏もあるため精査目的で紹介となった。
1年前から左耳内を綿棒で掃除すると耳漏が付き,痛みもあった。軽快と増悪を繰り返していた。
初診時,外耳道全周性に発赤,表面不整を認め,耳漏も認めた(図1)。外耳道から生検を行ったが,病理診断は異型上皮(atypical epithelium)であった。耳漏の細菌検査ではMSSA(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus)のみ検出された。オフロキサシン(タリビッド®)の点耳など,保存的治療を行ったが外耳道の病変は改善を認めず,3か月後に再度生検を行ったところ扁平上皮癌(squamous cell carcinoma:SCC)の診断となった。
CTでは外耳道全周性に軟部組織の肥厚を認め,造影効果を認めた(図2a,b,d)。鼓室内,乳突蜂巣への進展はなかったが,外耳道の骨表面が一部不整であり,Pittsburgh分類のT2と判断した。MRIでは顎関節包との境界が不明瞭であった(図2c)。
外側側頭骨切除術を行い,顎関節包も一部合併切除した。
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