胸部外科女性医師のつぶやき
働き方改革に思うこと
和田 有子
1
1信州大学心臓血管外科
pp.370
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu78_370
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2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の流行や,2024年4月からの時間外労働の上限規制の適用により,これまで慣習や「やりがい」という言葉で聖域化されてきた医師の労働環境は大きく変わろうとしています.本来,「心をこめた価値ある仕事」を達成できるだけの時間的余裕と持続可能な仕事量を見極め,それに見合った人材の育成と人件費を確保した上で進めるのが,働き方改革のあるべき姿ではないかと思いますが,とにもかくにも法規制は施行され,絶対に無理と思えた労働時間の制限も,始まってみれば程度の差こそあれ表向きはなんとか達成されつつあるようです.あの厳しい外科医生活のどこにそんな余裕があったのか―まるで錬金術のようです.
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