とびら
やさしい「改革」の道への転換を
佐藤 礼人
1
1北海道勤医協中央病院リハビリテーション部
pp.913
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106169
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ここ1~2年,「構造改革」の嵐がこの国に吹き荒れ,この国のあり様を大きく変えようとしている.
医療もこの「改革」のただ中にある.2002年7月に行われた健康保険法などの改正も「改革」の流れの中で行われた.参議院では与党側の参考人からも改正に反対する意見が出たが,健康保険本人の窓口3割負担,高齢者の完全1割負担(高所得者は2割負担),保険料引き上げなどが決められ,国民を医療から一歩遠ざける改正となった.「改革」を進める人々は「保険財政を持続可能にするため」の改正だと主張していたが,医療機関から足が遠のけば,早期発見・早期治療が遅れ,病気や障害が重症化し,必要な医療費は逆に増大する.その結果,このまま推移していけば,「保険財政が持続不可能」となる時期がいずれ訪れることになる.
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