特集 職場と生活をゆたかに
研究会の上手ないかし方—ブレイン・ストーミングの実例をつかって
橋本 秀子
1
1東京大学医学部衛生看護学科公衆衛生教室
pp.18-21
発行日 1962年1月10日
Published Date 1962/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202487
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
おつとめというものは,決して楽なものではありません.うるさい人間関係,面倒な書類の流れ,考えてもうんざりすることばかりです.しかしどうせ働らくなら働きよい職場で働くほうがどれほどよいか判りません.働きよい職場は,つらい仕事もそれほどつらいとは思わせません.だからこそ昔から職場を明るく,たのしくすることが強調されているのです、ところで皆さんは,それについてどんな努力をしていらつしやるでしようか.花をかざり,コーラスを楽しむ.なるほどそれも一つの方法でしよう.しかしそうした趣味的な明るい職場づくりにはげむこともよいのですが,私達の仕事はただのBGとは違つて,一つの部屋におちつくことは殆んどありません.同じ保健婦室の同僚でさえ,顔をあわさない日がありますし,毎日の仕事をどうしたらうまく出来るかということに頭をなやまして,花どころではないという人が大変多いのです.それだけに殺風景な雰囲気だと批評する方もいますが,そうした悩み—仕事の悩みが解決しない限り,本当に私達の職場はゆたかな雰囲気につつまれないでしよう.
こうした悩みの中でも,個人的な悩みや人間関係上の悩みは,適当なカウンセラーと相談すればよいのですが,仕事自体にともなつた悩み—たとえば,どうしたら効果的なグループ指導が出来るか,どうしたら家庭訪問がもつと能率的にゆくだろうかなどといつた悩みは,皆で話しあうほかに解決出来ません.
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.